まっとうに生きようとする人を応援する神様が、世界の何処にもいないなんてはずはない

バリ島の供えもの, チャナン, 世界のお守り

インドネシアのバリ島では、
チャナンと呼ばれるパームリーフ(ヤシの葉)を使った可愛い細工物をお供えする風習があります。

 

バリ島の市場や通りでは毎朝、女性たちが手作りのチャナンを売っています。
値段は日本円で1個が10円程度です。

 

チャナンは新鮮なパームリーフで15cm四方くらいの容器を作り、
容器に5種類以上の花を入れて飾り付けしたものです。
チャナンに使われる花の種類には以下のものがあり、この中から5種類以上の花を選びます。

 

・カンボジア(白くて香りの強い花)
・チュラン(青い花)
・ミティル(黄色い花)
・パチャ(赤と白の花)
・サンダル(緑色の花)
・チャンパカ(白い花)
・トゥンジュン(青、白、赤の花)
・パンダン(緑の細い葉)

 

花の他にもチャナンには、”ポロサン”を入れます。
ポロサンとは、シリーの葉、細かく切った果物を木の葉でくるんだもので、
お祈りをした際に、その願いを神様に伝える役割を果たします。
ポロサンは、チャナンの一番底に置いて、その上を花々で覆われるので、
外側からは見えません。

 

チャナンを供える時は、一緒に、お香、米粒、アルコールなどを供えることもあります。

 

ホテル、レストラン、いろいろなお店、タクシーなどには、毎日欠かさず
神様への供えものとしてチャナンが置かれています。
朝にお供えされたチャナンは強い日差しを浴びてカラカラになったり、
道行く誰かに蹴散らされてバラバラになっていたり、
車に惹かれてぺちゃんこになっていたり、
犬や猫などに食べ散らかされていたり、
1日が終わるころには、原型をとどめない無残な姿になってしまいますが、
次の日には、また新しいチャナンをお供えします。

 

このようにして、チャナンを供える慣習は、
毎日繰り返されています。

 

ホテルによっては、
毎朝、女性の従業員が民族衣装を身に纏い、
庭先や各部屋の前に、チャナンを供えて回ります。
供える際は、花びらを使ってアルコールも撒きます。

 

毎朝、ホテルの部屋を出る際、色とりどりの花々が供えられていたら、
その日一日を気分良くスタートできそうな気がします。

 

バリ島では、女性たちが地面に置いたチャナンを右手でそっと撫でる仕草のことを”アヤバン”と呼びます。
”アヤバン”の直接的な意味としては、「これを食べなさい」「邪魔しないで」というような意味になります。
これはチャナンが置かれた地面の下に潜む悪霊をなだめるための動作で、
地面より高い祭壇などに置かれたチャナンに対して”アヤバン”は行いません。

 

家にチャナンを供える際も供える高さによって意味合いが変わり、
人が立った状態で、下半身より下の位置に備えたチャナンは悪い魂を鎮めるため、
上半身より上の位置に備えたチャナンは良い運気を運ぶため、に供えられています。

 

チャナンの慣習により、
バリ島の街のいたるところで、綺麗な花々を目にすることが出来ます。
供えられた花々が、神様へ祈りを届け、悪霊の魂を鎮め、
街の人々の心に安らぎを与えているのです。

 


バリ島の供えもの, チャナン, 世界のお守り 関連ページ

魔除けの布グリンシン, 世界のお守り
準備中

 
HOME プロフィール お問い合わせ